野も山もみな一面の弱気なら、阿呆になって買いのタネを撒け【笑夢塾

野も山もみな一面の弱気なら、阿呆になって買いのタネを撒け【笑夢塾 塾長の想いを書いてみました】

「陰極まって陽となす」「人の行く裏に道あり花の山」と同じ意味の格言ですが
米相場で使われた言葉です
なんらかの理由で不作が確実な状況の中
農民が田んぼで、がっくりと肩を落とし、打ちひしがれ弱気になっているような時は
米の価格がハネ上がるので
農家の人に同情するのではなく非常になって米を買えという意味です

わかりやすくいうと
1993年に記録的な冷夏によって米不足が生じてタイ米を輸入したことがありました
その頃の国産米の価格は何倍にもなりましたよね
米不足を先に察知し、米を買い占めれば
大きな利益がもたらされたのはいうまでもないことです

このように、経済において需給関係は、情けは無用という教えで
株式投資においても同様に考える必要があります

今回の「EUショック」のように株式相場が大きく下げ
多くの投資家が上値で買ったままの状態の中で
損切りできずに、まさに「野も山も総弱気」といった時は
思い切って買うべきであるということです

ただ、人の習性は目の前にある現実を受け入れようとするものです
そのことを受け入れるために、あれこれ理屈を見つけて自分を納得させようとします
また、一方では厳しい現実を見せ付けられると恐怖感が先立つことも否定はできません
要は、理屈や恐怖心は考えずに「阿呆になりなさい」と格言は教えているのです
皆の逆を狙ってこそ、大成功の可能性があるということです。

それでは、今回の恐怖感とは何でしょうか?
まず
財政が悪化し、債務不履行となる可能性が高いギリシャが暴走し
ユーロから離脱することによって
ギリシャの債務を負担していた関係諸国に影響をもたらすということではないでしょうか
もし、仮に、ギリシャが暴走を決めた場合、そのまま暴走するのでしょうか?
関係諸国は影響を受けるにしても、最小限に止める努力をするでしょう
また、ギリシャ自身も「自律」をするのではないでしょうか

次に
円高が進むことによって、日本の輸出企業の利益が少なくなるということではないでしょうか
ただ、円高の問題は今に始まったことではなく
日本の大手企業は、既に為替の影響を最小限となるように対応しているはずです
一時的な円高の数値はニュースにはなりますが
それは一瞬のもので
年平均でどの程度なのかという方が問題なのではないでしょうか

結論から言うと
一時的な底割れ、例えば日経平均が7000円まで下落しても
日本の経済活動がある限り、再び戻るということです

相場は生き物ですから、行過ぎれば修正をしようとします
リーマンショックの時、日経平均は1万円を少し下回る状況から
終値ベースで9000円まで下落しましたが
その後再び1万円を回復し、1万1千円まで上昇しているのです
昨年の3.11ショックの時も同様で
日経平均1万円前後から、9千円割れまで下落しましたが
5月には1万円まで戻っているのです

本来、上昇気流に乗っているはずのこの時期に
日経が、8千円割れ寸前まで下落している状況は
「EUショック」は既に織り込んでいると考えるべきです
じりじり下げるこの展開に、あきらめて投げる投資家やうり浴びせする投資家によって
下げ続けているだけなのではないでしょうか
1年で株価が最も高くなるこの時期に
株式相場はどん底ですから、今が仕込み場と考えることは現実的です。

最後に述べておきたいことがあります
まず、お金の問題です
日本も含めて世界中に行く場所の無いお金が蔓延しています
このような行く場所の無いお金は、利益を出すために相場を荒らします
荒らされた相場によって一般庶民の生活が影響する
ダブついたお金にも困ったもので、本当に困っている人にこそ使われるべきではないでしょうか
次に政治の問題です
EUから始まったヨーロッパでの動きは、通貨の統合にまで至りました
このことは、ヨーロッパの社会的安定を構築し
対米、対露、或いは対アジア圏に対抗するための手段であることから
ギリシャのユーロ離脱は基本的にはありえないのです
一国の財政状況よりもEUとして優先されるべき項目があるわけですから
EU諸国が何らかの形で合意の形成をしなければ
本来守られるべき根本的なものを失うことになります

何度も言いますが、相場は生き物です
人という生き物の心が相場を形成するわけですから
不安感の極みを過ぎると、「どうにかなる」という安心感が前に出てきます
今が不安感の極みとするならば
「陰極まって陽に転ず」も近いと考えると
絶好の買い場ということになります

まさに「野も山もみな一面の弱気なら、阿呆になって買いのタネを撒け」ということになるわけです